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オホーツク海紀行 三泊四日の旅 三日目の道中 番外地 [札幌、北海道]

オホーツク海紀行 三泊四日の旅 3日目
 
三泊目はサロマ湖鶴雅リゾートに泊まる予定なのだが、日中は時間がたっぷりあるので、子どもの頃の思い出の地巡りへ。
 
まず、生まれ故郷の網走番外地へ
亡くなった親父はここの刑務官をやっていた。
塀の中に服役していたわけではないよ。
脱獄犯を取っ捕まえたこともある。
退官後、勲章ももらい、叙勲者の宮中晩餐会にもお呼ばれしたが、病気のために出席できなかったのを残念がっていた。
 
網走湖からオホーツク海へと流れる網走川が塀と街の境界線。
 
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川の向こう側は 網走市字三眺官有無番地
 
無番地だから番外地
 
受刑者はここを出る時、川面に移る自分の顔を見て、二度と帰ってくるまいと誓ってここを発ったという。
 
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私はこの橋=鏡橋を渡ってバス停から小学校へ通っていた。
工事中だったが、昔は木造のアーチ橋だった。
 
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私は塀の外にある官舎に住んでいた。
今はマンション型の住宅だが、昔瓦屋根の長屋造りだった。
 
煉瓦作りの塀と門は変わらない。
今は武道館が塀の外に作られているが、昔は中の職員用武道場に子どもたちも入る事が出来て、剣道なんかを教えてもらっていた。そういえば、親父は柔道の黒帯だった。
私も一応、自衛隊上がりだが、同じ年齢で格闘したら、親父にボコボコにされるだろう。
 
 
 
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すっかり昔の面影はないのかなあ、と思ったら、幾つか残っていた。
 
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脇の道路に大きな灯籠があって、よくそこに軟式の玉をぶつけてひとりキャッチボールをしていた。
ということは、この灯篭の真横に住んでいたのかな。 
 
 
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グラウンドがあり、毎日のように野球をやっていた。
冬には水を撒いて凍らせてスケートリンクが出来ていた。
 
うっすらとその名残が残る平面だが、どうやら、最近の子供たちはここであまり遊んでいないのか、やや荒れた地面になっていた。
 
奥に、何の題目かは忘れたが、記念碑が建っていて、
手前に石段があったのだけど、
夏祭りの時に、半被をきて下駄をはき、この石段から転げ落ちて顔面強打、唇が腫れ上がってしばらく飯が食えなかったことを思い出した。
 

グラウンドの脇には防空壕の洞窟があってよく探検をした。
山を貫通する防空壕のトンネルがあり、ばあ様によると、戦時中は、塀の内側から受刑者と刑務官が、この山側からは家族が逃げて入ってきたという。
 

正面の山には登山道があって、登り切ると神社の祠があって、
毎年、大晦日、除夜の鐘がなるとそこを登った。
 
奥の山も官有地で、昔は山を登り、谷間をつかってよくスキーをした。
 
白樺の樹が多かったことを思い出した。
 
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亡き親父は加賀の出身で、親の代に開拓で夕張に入り、戦時中は中学生ながら炭鉱で労働奉仕させられていたという。
戦後、親類を頼って網走へ来て、当時刑務官をしていた叔父の縁故で刑務官になった。
 
お袋の一族は秋田角館の出で、大きな家だったらしいが、次男だったお袋の親父が北海道を転々とし、網走で医務官となった。
早大の通信制を出てたらしい。
 
うちのお袋はここの生まれ。
戦時中、国家公務員の生活は良かったらしい。お嬢様みたいだったようだ。
じい様が南方戦線で戦死、そこからガラリと生活が変わってしまったという。 
 
お袋は刑務所の事務員をしていて、そこで親父と出会ったらしい。その結果が俺。
昔は自宅出産。だから、ほんと、そのまま、番外地の官舎が俺の生まれたところ。 
 
木造だった小学校は鉄筋コンクリートとなり、
中学校は丘の上へ移転していた。
 
中学生の頃、よく海へ来た。
 
港には 帽子岩 があって
 
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漁船や防波堤の釣り人や、この帽子岩を眺めていた。
 
遠くには能取岬が見える。冬には流氷が来る。 流氷に乗って流されたバカな奴がいたなあ。
 
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網走港から能取岬へ向かう途中、
 
海水浴場ではないんだけど、海が広がっていて
 
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昆布のうち上がって浜臭い砂浜から海を眺めていた。
 
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大きな岩があって
 
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女房が「なんかサスペンスに出て来そうだね」といっていたが
 
二つ岩といって
 
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双子なんだ。
 
引き潮の時にはこの反対側まで行ける。
  
番外地と、川と、港と、帽子岩と二つ岩、
 
これが思い出の地。
 
今回、うっすら雨だったが、回れて良かった。
 
砂浜の石を一つ、ポケットへ入れて持ち帰った。
 
また、これるだろうか。
 
 
 

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